2024年11月1日、道路交通法が改正され自転車の罰則が強化されました。
シンプルにまとめてみたので、ご参考にしてください!
この記事でわかること
・「ながらスマホ」厳罰化
・「酒気帯び運転」罰則の新設
・「自転車運転者講習」とは
・ まとめ
「ながらスマホ」厳罰化
自転車を運転中、停止していないとき(つまり走行中)に「スマホなどで通話した」「画面を注視した」などの「ながらスマホ」の罰則が強化されました。
禁止事項の例
・走行中にスマホなどで通話すること ※ハンズフリーなどを使用した通話は除く
・走行中にスマホなどを注視すること ※具体的な秒数の明示はない
罰則の内容
●2024年10月31日まで
・5万円以下の罰金
●2024年11月1日から
「ながらスマホ」をした場合
⇒6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金
「ながらスマホ」により事故を起こしたり危険を生じさせた場合
⇒1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
ハンズフリーなどを使用し通話した場合は適用外ですが、そのような状況であればマイク付きイヤホンなどを使用する必要があるかもしれません。イヤホンなどで安全運転に必要な音などが聞こえない状態は、5万円以下の罰金となります。
また「スマホを何秒間みたら注視になるのか?」は、道路交通法上で明示していません。ただ、国家公安委員会がカーナビなどの事業者に向けた告示で「おおむね2秒を超える画面を見続ける」と定義をしているので、これに沿う形と思われます。
だからと言って「2秒以内なら画面を見てもOK」にはなりません。その2秒の間に危険が察知できなければ単純に事故につながります。
「酒気帯び運転」罰則の新設
これまで処罰の対象は酩酊状態での運転「酒酔い運転」のみでしたが、道交法改正により「酒気帯び運転」も罰則対象となります(血液1mlにつき0.3mg以上または呼気1Lにつき0.15mg以上のアルコールが含まれる状態で運転すること)。
また、自転車での飲酒運転をする可能性ある者に酒類や自転車を提供すること(酒気帯び運転の幇助)も禁止されています。
禁止事項の例
・酒気帯びで自転車を運転すること
・自転車で飲酒運転をする可能性がある者に自転車を貸したり酒類を提供すること
罰則の内容
●「酒気帯び運転」をした場合
⇒3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
●自転車を提供した場合
⇒自転車の提供者に3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
●酒類を提供した場合
⇒酒類の提供者に2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
「酒酔い運転」は以前から罰則があり、正常な運転ができないような状態で自転車を運転した場合に適用されます。
酒酔い運転には「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という、とても重い罰則が規定されています。
「自転車運転者講習」とは
一定の違反行為を繰り返す自転車運転者に「自転車運転者講習」の受講が義務づけられています。改正道路交通法により、「ながらスマホ」と「酒気帯び運転」も講習の対象となる「危険行為」に追加されました。
これらの違反行為で3年以内に2回以上検挙された場合、都道府県公安委員会は違反者に3か月以内の講習受講を命じることができます。この命令を無視して講習を受けなかった場合、5万円以下の罰金が科されます。
自転車運転者講習の対象とされる危険行為例
・信号無視
・路側帯通行時の歩行者の通行妨害
・遮断踏切立入り
・酒酔い運転、酒気帯び運転
・ながらスマホ
など
更に詳しい内容は警視庁HP「自転車運転者講習制度」をご覧ください。
まとめ
近年では、自転車のながら運転などでの交通事故に、非常な高額な賠償命令が出されています。
男子高校生が、夜間にイヤホンで音楽を聴きながら無灯火で自転車を運転し、パトカーの追跡を受けて逃走中に警察官(25歳)と衝突。警察官は頭蓋骨骨折等の重傷を負い、約2か月後に死亡しました。高松高等裁判所は、高校生に対し9,330万円の賠償を命じました。(2020年7月判決)
被害に遭われた方の命は戻ってきません。残されたご遺族の心痛は計り知れません。
「自転車だから大丈夫」と安易に考えず、十分注意しながら運転し、また自転車保険などに積極加入し万一に備えることも考えましょう。
自分自身がルールを守るだけでなく、お子さんや周りの人たちにも啓発していきたいですね。