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マサル
こんにちは。ジョブライセンスのマサルです。
2024年7月23日、政府は、生活道路での法定速度を引き下げるよう、道交法施行令の改正を閣議決定しました。
今後も意見を集め2026年9月に施行を目指すとの事です。
「そもそも生活道路って何?」と思う方も多いはずです。
用語の説明やポイントを簡単に解説します!

この記事でわかること
生活道路とは?
今回の閣議決定のポイント
「ゾーン30」、「ゾーン30プラス」
まとめ

生活道路とは?

生活道路のイメージ(写真AC)

「生活道路」。実は、明確な定義がされていない言葉です。

一般的なイメージとしては、
・道路の幅が狭い
・住宅街などで歩行者や自転車が多い

という感じでしょうか。
道幅が狭く歩行者がメインの道路、皆さんのお住まいの近くにありませんか?

住民の方が幹線道路に出るまでに利用するような道路で、幅員5.5メートル未満の道路を生活道路と呼ぶことが多いようです

生活道路では子どもの交通事故も多く、特に7~12歳以下が関わる割合が多くなっています。
四輪車側の事故原因は安全不確認、安全速度違反が多く、また、歩行者側は飛び出し、横断違反が多くなっています。
つまり、狭くて見通しの悪い場所が多く、四輪車側は速度を落として危険に備え、歩行者も影から飛び出さないなど、お互いに細心の注意が必要な道路です。
参考:生活道路上の歩行者事故の特徴 交通事故総合分析センター

今回の閣議決定のポイント

生活道路での法定速度が、現行の時速60キロから、時速30キロに引き下げになります。

警察庁は、センターラインや中央分離帯がない道路で、目安として道幅が5.5メートル未満の「生活道路」に適用する予定のようです。

一番の目的は、歩行者や自転車などの交通事故の防止です。
近年、歩行者と四輪車の痛ましい交通事故が発生しました。
2021年の千葉県八街市のトラック事故 八街児童死傷事故から3年 現地の追悼や対策の動きは | NHK
など、自動車よりも歩行者や自転車の通行が多い道路において、悲惨な交通事故が後を絶ちません。

現状、標識や表示で速度規制がない道路は、「法定速度の時速60キロが最高速度」になります
ですが今回の閣議決定により「標識・表示で速度規制がないとしても『生活道路』では時速30キロ」になることで、無謀な速度超過を防ぎ、歩行者の飛び出しにも対応できるようになり事故が減少するという狙いがあります。

また一説によると、全国には一般道が約120万キロメートル、そのうちの約7割の約85万キロメートルが今回の条件に該当する可能性があります。
これだけ途方もない距離の該当道路に、道路標識や表示を設置するには多額のコストと時間が必要であるため、今回の生活道路での法定速度の見直しが行われた一因でもあります。

「ゾーン30」、「ゾーン30プラス」

「ゾーン30」、「ゾーン30プラス」、この言葉をご存知でしょうか?
すでに見聞きしたことがある方もいるかもしれませんね!生活道路に「ゾーン30」という標識・表示が設置されている場所です。

出典:警察庁 ゾーン30とは?

区域(ゾーン)を定めて時速30キロの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内におけるクルマの走行速度や通り抜けを抑制します。
引用元:警察庁 ゾーン30とは?

上記「ゾーン30」をさらにバージョンアップした、「ゾーン30 プラス」もあります。
物理的に速度を抑制する施策、例えば狭さく(意図的に道路幅員を狭める)、バンプ(路面を盛り上げる)などを設置してある区域を指します。

ゾーン30プラスとは、生活道路における人優先の安全・安心な通行空間の整備の更なる推進を図るため、最高速度30キロ毎時の区域規制と、狭さくやスラローム等の物理的デバイスの適切な組合せにより交通安全の向上を図ろうとする区域のことをいい、警察と道路管理者が連携して全国的に整備を進めているものです。
引用元:警察庁 ゾーン30とは?

これらの施策を取り入れ、生活道路での事故抑制に努めていますが、全国すべての該当区間に実施することは難しいといえます。
ですので、今回の標識・表示で速度規制がない『生活道路』では時速30キロという流れになったと思われます。

まとめ

この記事を読んでいるかたは、ドライバー職が多いと思います。
「納期や配送時間に追われて…」という状況から、知らず知らずのうちにスピードを出していることはありませんか?

逆に、私達が歩行者として生活道路を歩いている時に「あの車、怖いな!速すぎない?」、「こんなに(私の)すぐ横を通らなくても…」と感じ、ドライバーに対して『安全運転をしてほしい』と願うことは多いと思います。

今回の閣議決定は、法定速度の根本的な設定を見直し、歩行者や自転車の利用がメインである「生活道路」が、今以上に安心・安全であることを目指す具体的な施策です。
自動車対歩行者・自転車の悲惨な事故を起こさない・事故に遭わないよう、ルールを理解・遵守しなければいけませんね。