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ヤギ
いまや当たり前の「運転免許」。日本で免許制度が始まったのはいつ頃だか知っていますか?実は、免許がない時代や、今よりずっと簡単に取れた時代があったんです。今回は、日本の免許制度の歴史と、今の制度との違いをお話しします。

運転免許制度がなかった頃の日本

日本に初めて車が輸入されはじめたのは、1898年(明治31年)頃。当時はまだ「免許」の制度はなく、車を買えば誰でも運転できました。今だと考えられませんよね..。

そんな時代が続くと、当然ですが運転技術が未熟な人も増え、事故も増加。そこで、「運転する人をちゃんと管理しないとダメだ!」という声が上がり始めたそうです。

1903年:運転免許制度の原型が登場

1924年以降:全国で統一された免許制度へ
1924年(大正13年)には「自動車取締令」ができて、全国どこでも同じ基準で免許を取ることが義務化されました。この頃から車種ごとに免許の区分ができ、大型車や二輪車専用の免許も生まれました。

戦後になると、写真付きの免許証が登場し、更新制度も導入されます。これで「本人確認がちゃんとできる」「古い技術のまま運転し続ける人がいない」という仕組みが整いました。

昔と今の運転免許取得、どっちが大変?

ここでちょっと、昔の運転免許制度と今の制度を比べてみましょう。

昔の運転免許(1919年頃)
・紙の免許証
・直接審査官の前で運転技術を見せるだけ
・筆記試験は簡単なもの
・自動車教習所なし
・一度取れば更新不要

なんと、車を持っていてちょっと運転できれば免許ゲット!今と比べると、めちゃくちゃ楽ですよね。しかも、当時の車は速度も遅く、交通量も少ないので、「そこまで技術がいらない」って感覚だったのかもしれません。

とはいえ、当時の日本の経済レベルを考えると、自動車の運転自体が庶民のものではなくお金持ちの特権だった可能性が高いですね。

今の運転免許(2024年現在)
・ファイバーコンポジット材、ICチップ内蔵の免許証
・自動車教習所の合宿教習で約1ヶ月間、通学教習で数ヶ月間学ぶ
・筆記試験(学科試験)、実技試験(技能試験)ともに厳しい採点基準
・更新は3年または5年ごとに必要

紙からICチップ内蔵というのは技術的にも大きな進化ですね。取得の労力については、昔とは比較になりません。今では、教習所に通っても、本免試験で「一発合格!」は簡単ではありませんので。


「昔はよかったなぁ」と締めくくりたいところですが、複雑に形成された都市で車が行き交う現代では、しっかりした交通安全教育は人命保護の観点でもとても大切です。

今の日本の免許制度は、「交通事故を減らす」「みんなが安全に運転できる社会を作る」ためにどんどんアップデートされています。

今後、電気自動車や自動運転の時代に突入すると、新しいルールが生まれるかもしれませんね。

昔と比べると「手間がかかる」と感じるかもしれませんが、命を守るための大事な制度。そう考えると、教習所でしっかり学んで取得するのも悪くない気がしませんか?
職業免許の取得には、便利な職業訓練給付金制度もありますので、ぜひ挑戦してください。