
戦前からあった!? 高速道路の構想
第二次世界大戦が終わった直後、日本の道路はひどい状態でした。
戦時中に修繕が行われなかったこともあり、舗装率は非常に低く、雨が降るとぬかるみ、乾くと土煙が舞うような道が多かったそうです。
1950年代に入っても、車は増えているのに道路整備は遅れたまま。「日本は経済発展を目指すには道路整備が欠かせない」という声が高まり、1954年には初めての道路整備五カ年計画がスタートします。
この時期から、ようやく高速道路建設に向けた本格的な準備が進み始めました。
名神高速道路が日本初の高速道路に!
1956年、日本道路公団(現在のNEXCOグループ)が設立され、高速道路建設を担う中心的な存在になります。
そして1957年、滋賀県の栗東から兵庫県の尼崎までを結ぶ名神高速道路の建設が許可されました。そして1963年7月16日、栗東~尼崎間の71.9kmが開通。
これが日本初の本格的な高速道路とされています。東京ではなく、関西エリアが最初だったのですね。
開通当初は「料金を払ってまで高速道路を使う人はいないのでは?」という懸念もあったそうですが、物流業界や長距離移動をする人々から支持を集め、利用者は徐々に増加していきました。
ちなみに名神高速の「名神」という名前は、「名古屋」と「神戸」の頭文字をとったものです。
全国へ広がる高速道路網
1966年には、日本全国を約7,600kmで結ぶ高速道路計画が策定されました。
東名高速や中央自動車道といった主要路線が次々に建設され、日本の物流や人の移動が一気にスピードアップします。
その後、計画は見直され、現在では全国約14,000kmの高速道路網を目指す計画となっています。2020年代には完成済み区間が9,000kmを超え、日本の交通網は世界でも有数の規模に成長しました。
まとめ
日本の高速道路は、戦前の構想から始まり、戦後の復興と高度経済成長、そして東京オリンピックという大イベントを経て誕生しました。
最初は一部の区間しかなかった高速道路も、物流や観光、通勤など、私たちの生活に欠かせない存在へと進化。今では当たり前の存在ですが、その背景には「日本をもっと便利にしたい」という当時の人々の努力と挑戦があったことがわかります。
高速道路を走るとき、ただの移動手段としてではなく、その歴史に少し思いを馳せてみると、また違った景色が見えてくるかもしれません。
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