我々が持っている「運転免許証」。これが「マイナンバーカード」と一体化する方向であること、みなさんご存じですよね?
政府は2024年度末までに実現させたいとの意向を発表しています。
今回は、「運転免許証」と「マイナンバーカード」が一体化した場合の、メリット・デメリットを考えてみましょう!
※ 執筆時点(2024年9月)で、まだ検討段階の内容もあります。ご了承ください。
この記事でわかること
・マイナンバーカードと運転免許証の一体化とは
・一体化のメリット
・一体化のデメリット
・まとめ
マイナンバーカードと運転免許証の一体化
「マイナンバーカード」と「運転免許証」の一体化は、2024年末までに導入を目指している新しい制度です。
この制度により「運転免許証の情報」が「マイナンバーカードのICチップ」に電子的に保存され、マイナンバーカードを運転免許証としても利用できるようになります。
ただし今時点としては、一体化させるかどうかは任意とされています。
想定されるカードの所持パターンは
①マイナンバーカードと免許証を所持(マイナンバーカードに免許証情報は入れない)
②マイナンバーカードに免許証情報を入れ、免許証も所持する
③マイナンバーカードに免許情報を入れ、免許証は破棄や返納する
上記の①②は2枚持ち、③は一体化で1枚持ち、このような所持パターンが考えられています。
また、ここで言う(ICチップ内に入れる)免許証情報とは
・運転免許証の番号
・有効期限
・免許の種類
・「眼鏡が必要」などの条件
・顔写真など
と想定されているようです。
ですので、マイナンバーカードを見ただけでは、免許証の有効期間や条件が判別ができないかもしれません。更新忘れが心配になりますね。
まだ制度実施まで時間があるので、なんらかの対策が講じられるとは思われます。
一体化のメリット
一体化したカードを所持する我々のメリットを見てみましょう。
住所変更手続きの簡略化
これまで引っ越しの際には、市区町村の役所と警察署等、両方の施設にて住所変更手続きを行う必要がありました。ですが、一体化により、市区町村の役所での手続き1度で済むようになると予想されます。
カードの持ち運びが便利に
運転免許証とマイナンバーカードを別々に持ち運ぶ必要がなくなり、財布やパスケースがスッキリします。ポイントカードで財布がパンパンになっている人には嬉しいですよね!
オンラインでの更新手続きの拡充
ゴールド免許所持者などの一定の条件はあると思われますが、一体型のカードを持っている場合には、オンラインでの運転免許更新が可能になる可能性があります。これは大きなメリットですよね!
(令和4年2月から、北海道・千葉県・京都府又は山口県に住所を有する優良運転者で、マイナンバーカードを保有する者を対象とした、オンライン更新時講習のモデル事業を開始しています)
一体化のデメリット
では次に、一体化したときのデメリット考えてみましょう。
紛失時の再発行の煩雑さ
一体化により、カードを紛失した場合のリスクが高まります。
運転免許証だけでなく、マイナンバーカードとしての機能も失われるため、再発行手続きが煩雑になることが予想されます。
個人情報漏洩のリスク
一枚のカードに多くの個人情報が集約されるため、情報漏洩のリスクが高まると言えます。マイナンバーカード情報、運転免許証の情報、この二つが同時に漏洩の危険性にさらされることになり深刻な問題となります。
まとめ
マイナンバーカードと運転免許証の一体化は、多くのメリットをもたらす一方で、紛失や情報漏洩のリスクも伴います。私たちの生活を便利にするためには、これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
この記事をご覧の方や、我々運転免許に携わる者にとっては、マイナンバーカード表面には、運転免許証では目視確認できた『免許の条件等』や『免許証の有効期間』が記載されない可能性が高いことが気になります。
今までは「普通車はATに限る」や「眼鏡等」、「有効期間」が目視で確認できましたが、一体化されたカードの場合、ICチップ内の情報にアクセスする端末・権限などがないと確認できない可能性があります。
これは、自動車教習所や旅客運送業、レンタカー事業者の視点では、大きな課題となると思われます。
一般企業でも「この社員に、この営業車両、貸出して良いか?」の判断に迷うことも発生する可能性があります。
2024年末までまだ時間がありますので、今後の関係機関の情報、こうご期待!